衰弱した子猫を保護した時にできた事。

拾い猫

皆さんのご近所には野良の猫や犬はいますか?

野良猫たちの保護に迷い、家に連れて帰って飼おうか悩んだ経験がある方もいらっしゃるのではと思います。

でも一時の感情だけで連れて帰るのはどうなんでしょうか。全ての猫たちに当てはまる訳ではありませんが、連れ帰ったはいいものの人間の都合でまた野良猫に戻されるといったケースがあるのも事実です。

そして、一見普通に見えるコであってもどんな運命を抱えて生まれてきたかは真剣に寄り添ってみないと分からない事もあります。

この記事では、元々野良猫だった我が家の愛猫「ヴォルグ」との出会いのお話になります。そして猫を拾う事の楽しさや大変さ、笑いや悩みの中から色んな事を勉強させてもらう事ができました。

思い出はたくさんありますが、今回は野良だった頃に記憶をさかのぼって、稚拙ではありますが文章にしてみようと思います。

野良~同居まで

少し過去のお話になります。

ちょっとしたストーリーですね(笑)

衰弱した「黒い子猫」との出会い。

とある休日の事です。当時彼女だった現在の奥さんが朝7時頃にゴミ出しをする為に、ゴミ捨て場へ向かいました。

すると、ゴミ捨て場からは少し離れた家の壁際に、1匹の黒い子猫が丸まってじっとしていたそうです。その付近は元々野良猫の多い地域です。

彼女
彼女
(親猫とはぐれたのかな?可愛い…けど…寝てるのかな?子猫だし、いずれ母ネコが見つけに来る…よね…?)

彼女は猫社会に関する知識は無いに等しかったものの気になってしょうがない様子で、何度もその子猫を伺ってはみたのですが、気にしすぎかな…とその時は自宅に帰り、いつもの休日を過ごしていました。

動かない子猫。衰弱している?

1時間ほど経った朝8時頃、彼女はすぐ近くのコンビニに朝ご飯を買いに行こうと家を出ました。さすがにもういないだろうと思い込んでいたので、子猫の事は意識していなかったそうです。

ところが、まだその子猫がいたのです。何一つ変わらない様子で…

彼女は良くない想像をしてしまいました。猫はもともと好きでしたが、専門的な知識がある訳ではありません。

寝ている様に見えたけど、まさか…」と確認するべく近寄ってみたのですが、黒い子猫は逃げるどころか見向きもしません。

彼女
彼女
(明らかにおかしい!意識は?思っているより事態は深刻!?)

そう思った彼女は揺らさない様に軽く撫でてみますが、何の反応も示しません。

季節はもう寒くなり始めていたので、子猫の体温もかなり低下していました。目を閉じたまま一向に動く気配もありません。体の小さな運動から、呼吸だけは確認できたので、まだ手は打てるはず!

もうジッとしていられません。優しく、極力負担を与えない様に、その黒猫を拾うことに。

抱っこして、家に連れ帰りました。

かなり衰弱した状態の寝方

↑上画像は元気になってからの寝てる画像です。

正しい知識がないので、この時点での正解の行動は分かりませんでしたが、とりあえずシャワーの温水を洗面器にいれ、ぬるま湯にしてから少しずつ体にかけてあげました。

普通なら水を嫌がる猫も沢山いるので何かしらリアクションがあるかと思うのですが、これも無反応。身体の汚れだけがぬるま湯と共に流れて行くだけでした。

エアコンの効いた部屋に移動し、優しくタオルで拭いて近すぎない距離でドライヤーの温風を使い乾かした後、大きめのカバンに子猫を入れて最寄りの動物病院に向かいました。

動物病院での診察。ぐったりなままの子猫

すぐに獣医師の先生に診察をして頂いた結果、

獣医師さん
獣医師さん
何らかの形で右頭部を強く打っている可能性が高いね。脳にダメージがあるかもしれないね。

との診断でした。

実際に右目から右耳にかけて、腫れているのは確認できました。

動物病院での治療直後の子猫の画像

↑元気になってからの写真ですが、まだ腫れている状態。保護直後はもっと腫れていた。

どこかしら高所から落ちたのか、走っていてどこかの壁などでぶつけたのか、飛んできた何かに当たったのか、原因は分かっていません。

猫社会において、身体的に障害を抱えた子猫からは、親猫が去ってしまうというケースも珍しくないらしく、たった1匹で衰弱してうずくまっていたのはそういった経緯があったのかもしれません。

そして先生いわく、

獣医師さん
獣医師さん
身体の触診や検査してみた結果だけど、ダメージは脳にも達していて左足に麻痺があるね。

との事。実際に先生が子猫の右側の足先を少し強めにつまむと痛がるのに対し、左足に同じ事をしても全く反応はありませんでした

頭部へのダメージの影響で脳が炎症し腫れているとの診断。その影響がどれほどのもので、脳の炎症がどこまで治まるかで今後の後遺症の大きさは変わると言われました。

「子猫」にとっての寿命となるか、今日を乗り切れるか。

タオルの入った段ボールで眠る子猫
獣医師さん
獣医師さん
生後3か月程の子猫には、少し強めの薬になるけどね。

そういって先生は、生後半年以上の猫にしか打たない注射を打って下さり、今後の様子を見ることになりました。

獣医師さん
獣医師さん
もう少しここに来るのが遅かったら完全に手遅れだったね。まだ安心はできないけど、今日を乗り切れば助かる可能性がある。ここでやれる事は全部やったから、後はこの子の生命力次第だよ。

この言葉を聞いた瞬間に、彼女はこの子猫を飼う決心をしたそうです。(動物病院に連れていった時点でもう考えはあったようですが。)

彼女
彼女
今後何があっても私がこの子を最後まで守る!

そう誓って涙をこらえて家に帰りました。

動物病院の診察を終え、子猫と自宅にて。

段ボールの中で静かにこちらを見ている子猫

1度、彼女は子猫と帰宅しそのまま待機。

病院にて投与して頂いた抗生剤が効き始めたのか、少し動きが見られるようになった頃です。細くではあっても開けなかった目も開いて、少しずつ体が動くように。

とはいえ動き回る程でもないので、油断はできませんでした。

彼女
彼女
(猫を飼いたい気持ちはあったけど、こういう始まり方もあるんだ…)

そんな事を思いながら見守っていたそうです。獣医師さんの言う通りなら、この日1日、少しでも元気になってくれる事を願うばかり…何かできることはないか…すがる思いで考え付いたのが、そうです。

名前です!

子猫、命名の時!

かぁ
かぁ
そしてようやく僕の出番ですw

そんな大変な事態が起こっていたとは思いもよらず、その日の僕は休日の朝をまったり過ごしていました。

日曜日の朝8時頃、いつも通りPCを叩きながら過ごしていた時のこと。

かぁ
かぁ
(今日はいつもの時間に連絡ないな。用事でもできたかな。)

と思った途端に着信が。

もしもし

かぁ
かぁ
もしもし
彼女
彼女
あ、おはよう!色々あって、子猫を飼う事にした!
かぁ
かぁ
え?まじで?どしたん?急に?!
彼女
彼女
かくかくしかじかで!元気になる為に強そうな名前をつけて下さい!!
かぁ
かぁ
え~~~!!いきなり!?ん~・・・じゃぁ、ヴォルグ!!めっちゃ強いよ!!

という流れで、名前が「ヴォルグ」になりました!大マジメです(笑)

ちなみに僕が大好きな某大人気漫画の登場キャラから頂きました。

強そう(実際強い)な名前、生き抜く身体、応援したくなる、という全てを兼ね備えた名前だと思ったのでありますw

という事で満場一致(2人)で名前が決まったのでした!

かぁ
かぁ
じゃぁ写真送ってよ!

で、届いた写真がこちら!↓

動物病院で処置後のヴォルグ
かぁ
かぁ
なんとまぁすごい腫れてる!そのせいもあるのか、ぶさいくな顔してるなぁ(笑)

というのが第一印象です(笑)

(子猫か…見たい!見に行くしかない!)

詳しい経緯を知りたい事もあり、すぐに準備して彼女の家に向かいました。

「ヴォルグ」の復活!!

約1時間程かけて彼女の家に着き、遂に初対面。

写メで見たブサ可愛い子猫と初対面!

猫クッションでくつろぐヴォルグ

ブサかわ…と、思ったら写メで見るより全然可愛い!(笑)どうやらカメラ映りの問題だったみたいです。

まだ少し右目の上に腫れは見えましたが、抗生剤がかなり効いて脳の炎症も抑えられたのか、両目を開きしっかり見えてます!足もゆっくりではありますが、しっかり歩いていました!脳の炎症が抑えられた事により足の麻痺もなくなっていったのです!

ただ、足の麻痺は完全に影響がなくなった訳ではなく、左右で感覚に差があるようです。(後日の診察にて先生より)

かなり衰弱していて一時は昏睡状態にまで陥ったのに…よく頑張ったと思いましたね。何も語らない、言葉は通じない、それでも生命力の強さというものを教えてもらいました。

てゆーかまぁ、僕はほとんど何もしてないんですけどw

手遅れになる前に動物病院に連れて行った彼女と、獣医師さんの迅速で的確な処置のおかげです!!感謝しかありませんね。

ちなみにヴォルグはというと、この時から人への警戒心は強くなかったので、僕にもすぐに慣れてくれました^^ 癒されます…

おもちゃで遊ぶヴォルグ

その後ですが、翌日以降はみるみるうちに回復していきました!てゆーか翌日には走り回れるくらいに元気になったくらいです(笑)本当に良かった!で、その彼女の家がペット禁止だったので、それから2~3か月後には僕の家で同棲する事になりました^^もちろんヴォルグも一緒です!

それからも色んな事がありました。これからもたくさんの出来事があるでしょう。

それも記事にしていきたいです。

まとめ。猫(動物)を飼う事へ自分なりの責任。

じっとこちらを見る子猫ヴォルグ

この文章を書いていて、懐かしいなと思うのと同時に再確認させられた事がありました。

当たり前すぎて見えなくなっていたかもしれませんが、一時的にであったとしても保護するという事は、その瞬間から責任が生まれると思ったんです。

責任と言っても、色んな形がありますよね。野良猫を保護するもしないも、色々な状況や困難があると思います。

保護しないからといってそれが間違いだとは思いませんが、関わるという事は責任が生まれるという事です。

生後半年のヴォルグ

そして、当たり前の日常の中ですが、うちの猫には、

この家の人間に拾われてよかった。

と思ってもらえる様な接し方を心掛けたいと思っています^^

保護して半月ほどのヴォルグ

「ヴォルグ」の現在

こちらが現在の姿^^

まっすぐ前を見つめるヴォルグ
性別・種 オス・雑種
年齢 8歳(2019年)
体重 5キロ
性格 穏やか ・ マイペース
毛質 ふんわりで柔らかい
肉球の色

点滴をしてもらった直後の写真なので、腕の毛が刈られてます(笑)しっかり立ってしっかり生きてます!

元気な様子の動画はこちら↓

ここまでお読み頂き、ありがとうございました。

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