我が家では、2匹の猫を飼っています。てんかんを持病にもつ黒猫ヴォルグと、病気しらずのキジ猫ミクです。黒猫ヴォルグの発作の頻度は年に数回、最長で3年程発作が起きなかった事もあります。
飼っている猫がてんかん発作を起こした時、冷静でいられますか?
僕は奥さんといつもパニックです…回数を重ねる毎に慣れた様な錯覚に陥り冷静なフリして対処していますが、やはりいつ見ても怖いし、何より辛いです。
そして、毎日発作を起こす子もいれば年に数回など、同じ病気でもその子によって症状はさまざま。さまざまという事は、いつもと違う発作の症状が起こりえる可能性もあるという事です。
この記事では、我が家の猫が発作を起こした時にどうすればいいか、発作の症状にどういった対処をしているか、実際に発作を起こした時の流れで書いてみようと思います。
目次
てんかん発作中、猫の周辺にも注意
猫の発作中、周りに身体を傷つける様な物がないかを確認するようにしています。
理由は、発作を起こしている間は全身痙攣で倒れた状態です。足をバタバタとしているので移動する事はできないのですが、こちらが無理だと思い込んでいるだけで、いきなり走り回ったりする事がないとも言い切れないからです。もしも部屋の中に鋭利なものがあり、仮に痙攣しながら動ける事があった場合、そこに向かって走らないとも限らないです。その場合、想像するだけでも恐ろしい。
また、全身痙攣中はただ痙攣しているだけではありません。バタバタとしながらも起き上がろうとする事もあります。痙攣しながら倒れて、起き上がろうとして、そして…を繰り返す度に身体の位置は大きく移動している事も多々ありました。
なので、てんかん発作対策の1つとして
普段から家の中を散らかさない様に片づけておく
事が大切だと思っています。その為、柔らかい物が多い我が家です。
てんかん発作中、猫の頭部へのダメージを抑えたい
発作が始まり全身の痙攣を起こし始めたら、頭を床や壁にぶつけ続けると思います。その時、手足を痙攣させてバタバタといった音と共に、実は小刻みに頭を床にガンガンとぶつけています。痙攣中はビクビクと小刻みに動いているので、小さく何度も床にはね返っている状態です。
その事から床や壁、物などの堅い部分に頭をぶつけると脳に衝撃が伝わり悪循環に思えて絶対に発作に良くないと思ったので、厚すぎないクッションなどを頭の下に敷いてあげる様にしています。ただ、無理に身体の下にまでは敷きません。理由は、発作中は必要以上に刺激を与える事は良くないと言われているからです。
クッションが手元になく用意できない場合は、そっと頭の下に手を入れてあげてほんの少し頭を浮かせた状態にしてあげる様にしています。
猫のてんかん発作中は
手を添えたり、柔らかいものを使って、頭への衝撃を緩和させる
これは個人的に必須行動の1つです。
てんかん発作中、高所からの2次被害
まさに我が家の猫が最初のてんかん発作で経験した事です。
猫は高所が好きで、我が家の子も家具の上(高所)で寝るのが好きです。ある日、僕らが外出している時に初めててんかん発作を起こし、全身痙攣を起こしたまま、家具の上から落下してしまうという事故が起きてしまいました。
居間で過ごしていた父が、僕の部屋から「ドンっ!」と音がしたので気になって見に来てくれたのです。すると、いつもくつろいでいる家具(高所)の真下で全身を痙攣させて発作を起こしている状態だったそうです。
「発作の始まりを見ていない」事から、
- 家具の上で発作が起こり、痙攣の動きによってずれ落ちた
- 落ちた時の衝撃のダメージで、発作が起こった
という2つの仮説が生まれます。ただ、いつも過ごしている平面で割とゆったり過ごせる場所で「落ちる」という事に疑問を覚えました。とはいえ、運動神経のいい猫でも絶対に落ちないという保証はありません。「落ちた事が原因で初めて発作が起きた」だとしたら、悔やみきれません…
済んでしまった事なので考えても仕方がないですし、おそらくうちの子が持って産まれた病気なのだと思っているので、これを教訓に是正していくという事で切り替えました。
こういった経緯をふまえて、我が家では
- 約50cm以上の高さのある所ではくつろげない環境
- 高い位置でくつろげるのはキャットタワーなど必要最小限にする
- 高さがあり不安な場所の下には衝撃吸収用のクッション等を敷く
高い位置は家の中に無数にあります。
例えば、
「てんかん発作があるから、猫が階段を使うのは禁止」
という訳にもいかないと思います。家庭環境に応じてはそれなりの工夫や対策が必要になってきますね。もし、ベッドやソファー、タンスなど高い位置で発作が起きてしまったら、状況に応じて臨機応変に即断即決する必要があります。どうしても、危険だと判断したら柔らかい毛布などで包んで抱いて下ろす。最悪落ちてきたところを受け止める事にもなりかねません。そうならない為にも、てんかんを持つ猫の為にどこで発作が起こっても対処できる様に前もって準備をしておく必要があると思っています。
てんかん発作中の動画を撮って残しておく
動画を撮る、がなかなか難しかったりします。
うちの子は発作の頻度が少なめです。発作の回数が多くても年に数回。最長で約3年起こさなかった事もあります。なので、いざ行動すると多少焦っているせいか、発作に対処して動画を撮ろうとしても手元にスマホがなくて撮れなかったり、対処に集中しすぎてスマホの事を忘れてしまい、発作が20秒程で治まり、撮れても2~3秒だったりと…残念な結果になっています。
動物病院で獣医師さんに見せる事も大切なので、できれば発作が落ち着くまでの全身をしっかり撮影した動画を残すことが大切です。
といった意見もあるかもしれませんが、基本的に
との事。
発作中の痙攣は、猫自身も飼い主さんも制御不能の状態です。押さえつけてしまったりしても猫が苦しいですし、逆に飼い主さんが爪や牙で怪我をする事もあるかもしれません。
実際、僕は初めての「てんかん発作」を目の当たりにした時、無知だった為に「呼吸困難」かと思いっきり勘違いして、異物を取り除こうと口に手を入れた事があります。痙攣中は全身が突っ張って力んでいる為、思いっきり噛まれました。2日間は噛まれた指が腫れあがり、何かに触れるだけで痛むという失敗をしています。猫に噛まれるとわきの下まで痺れるくらいに痛みを伴う事があるので、注意しなければなりません。
てんかん発作中は、
無理に猫に触らず、治まるまで見守る事も大切
「発作中、猫に意識はない」といいますが、とにかく発作中は刺激を与えない事が大切です。無理に触れたり声をかけたりはしない方が無難です。
てんかん発作中、薬を飲ませるのは難しい
何度目かの発作が起きた時に、すぐに動物病院に連れて行った時の事。
ヴォルグを診て頂いた時に、てんかん発作中に使用する抗てんかんの座薬を処方して頂いた事があります。これは難しかったです(しっかり入らず出てくる)
というのも、座薬を全身痙攣を起こしている猫に使うのがまず不可能でした。強引に押さえつけるのは違うなと思うので、発作が落ち着いてから試してみましたが…うまく入らない上に、ヴォルグの肛門が赤くなってしまって痛そうに見えたので、その時は諦めました。
後日、獣医師さんに相談したところ、
と言われました。その代わりになるものとして、抗てんかんの点鼻薬を処方されましたね。まだ座薬よりは使いやすい。初めからこちらでも良かったのでは?と、思いましたが(笑)動物病院にも色々考えがあるのだろうという事で。
点鼻薬は、発作中に鼻の穴に垂らして、そのまま中に入れてあげるお薬になります。とはいえ発作中は猫は暴れた状態で、こちらも必死です。使用する時は落ち着いて、誤って目に入らない様に左手で目隠しする様な感じで右手で鼻に垂らしてあげました。
こういった経緯から、
発作中は薬の使用が難しいので、無理はせずできる範囲で。
薬を使用する事に集中しすぎて、知らず知らずのうちに猫のお腹を圧迫したり、足を強引に押さえつけたりして余計な怪我をさせない様に気をつけたいものです。
てんかん発作が落ち着いたら様子をみる
ヴォルグは発作が落ち着いた後、目を見開いたまましばらく荒い呼吸をし続けます。
「何が起こったの!?」
といった表情で、動かずにただただ荒い呼吸を続けるだけ。発作が落ち着いてきたら毛布などの柔らかいもので包んで抱っこして(座ったまま)、小さめの声で「だいじょうぶ?」と声をかけながら、優しくゆっくり撫でてあげる様にしています。
ある程度呼吸が普段通りになると、何もなかったかの様に歩き始めます。てんかん発作の後は、「興奮して走り回る」といった情報も耳にしますが、ヴォルグは歩き回ります。歩きながら「うぉ~ん」と語尾が上がる様に泣きながら歩きだします。
普段はおとなしく横になってくつろいでいる事が多い猫ですが、この時ばかりは不安定な状態が20~30分程続きます。発作が止まった後で、ふらついたり倒れたりなどの症状はまだ見た事はありませんが、そういった症状も次の発作では現れるかもしれないという心構えを忘れずにしようと思っています。
てんかんという病気は、
発作が落ち着いても、すぐまた発作が出やすい状態になっている
と、獣医師さんから言われています。なので落ち着いたからといってすぐに安心せず、またすぐにくるかもしれない発作を警戒する様にしています。
興奮状態であるうちは、動き回るのを無理に止めずに様子をみる。
自然に落ち着いて横になるのを待つ。
様子が落ち着いたら、動物病院が営業している時間であればすぐに連れていく。深夜などに発作を起こした場合、営業時間外なら営業開始時間、朝すぐに連れていくのは絶対ですね。深夜営業している動物病院があるなら、即連れていきたいところです。
てんかん発作の詳細を記録しておく
発作の記録を残す事で、今後のてんかんへの治療に何か必要な事があるかもしれません。少しでも長く、同じ時間を過ごしたいので出来る事はしておきたいですし、するべきだと思っています。発作を起こした日付、発作を起こしている時間は絶対に記録しておく事をおすすめします。
獣医師さんにとっても、飼い主さんにとっても、
記録は大事な判断材料であり、記録は少しでも多い方がいい
この記事は、今後の自分にとっての記録の1部なので今後も追記していく可能性があります。同じ思いで愛猫のてんかんについて考える飼い主さんへ、細やかでも一助になれば幸いです。
ここまでお読み頂き、ありがとうございました。